ごん狐(2)

ごん狐(2)

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ごんは、村(むら)の小川(おがわ)の堤(つつみ)まで出て(でて)来ました(きました)。あたりの、すすきの穂(ほ)には、まだ雨(あめ)のしずくが光って(ひかって)いました。川(かわ)は、いつもは水(みず)が少い(すくない)のですが、三日(みっか)もの雨(あめ)で、水(みず)が、どっとましていました。ただのときは水(みず)につかることのない、川べり(かわべり)のすすきや、萩(はぎ)の株(かぶ)が、黄(き)いろくにごった水(みず)に横(よこ)だおしになって、もまれています。ごんは川下(かわしも)の方(ほう)へと、ぬかるみみちを歩いて(あるいて)いきました。 ふと見る(みる)と、川(かわ)の中(なか)に人(ひと)がいて、何(なに)かやっています。ごんは、見つからない(みつからない)ように、そうっと草(くさ)の深い(ふかい)ところへ歩き(あるき)よって、そこからじっとのぞいてみました。 「兵(ひょう)十(じゅう)だな」と、ごんは思いました(おもいました)。兵(ひょう)十(じゅう)はぼろぼろの黒いきもの(くろいきもの)をまくし上げて(まくしあげて)、腰(こし)のところまで水(みず)にひたりながら、魚(さかな)をとる、はりきりという、網(あみ)をゆすぶっていました。はちまきをした顔(かお)の横(よこ)っちょうに、まるい萩(はぎ)の葉(は)が一(いち)まい、大きな(おおきな)黒子(ほくろ)みたいにへばりついていました。


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