ごん狐 (5)

ごん狐 (5)

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十日(とおか)ほどたって、ごんが、弥助(やすけ)というお百姓(おひゃくしょう)の家(いえ)の裏(うら)を通りかかります(とおりかかります)と、そこの、いちじくの木(き)のかげで、弥助(やすけ)の家内が、おはぐろをつけていました。鍛冶屋(かじや)の新兵衛(しんべえ)の家(いえ)のうらを通る(とおる)と、新兵衛(しんべえ)の家内(かない)が髪(かみ)をすいていました。ごんは、 「ふふん、村(むら)に何(なに)かあるんだな」と、思いました(おもいました)。 「何(なん)だろう、秋祭(あきまつり)かな。祭(まつり)なら、太鼓(たいこ)や笛(ふえ)の音がしそうなものだ。それに第一(だいいち)、お宮(おみや)にのぼりが立つ(たつ)はずだが」 (」 )こんなことを考えながら(かんがえながら)やって来ます(きます)と、いつの間(ま)にか、表(おもて)に赤い(あかい)井戸(いど)のある、兵(ひょう)十(じゅう)の家(いえ)の前(まえ)へ来ました(きました)。その小さな(ちいさな)、こわれかけた家(いえ)の中(なか)には、大勢(おおぜい)の人(ひと)があつまっていました。よそいきの着物(きもの)を着て、腰(こし)に手拭(てぬぐい)をさげたりした女(おんな)たちが、表(おもて)のかまどで火(ひ)をたいています。大きな(おおきな)鍋(なべ)の中(なか)では、何(なに)かぐずぐず煮えていました。 「ああ、葬式(そうしき)だ」と、ごんは思いました(おもいました)。 「兵(ひょう)十(じゅう)の家(いえ)のだれが死んだん(しんだん)だろう」 (」 )お午(おひる)がすぎると、ごんは、村(むら)の墓地(ぼち)へ行って(いって)、六地(ろくじ)蔵さん(ぞうさん)のかげにかくれていました。いいお天気(おてんき)で、遠く(とおく)向う(むこう)には、お城(おしろ)の屋根(やね)瓦(がわら)が光っています。墓地(ぼち)には、ひがん花(ばな)が、赤い(あかい)布(きれ)のようにさきつづいていました。と、村(むら)の方(ほう)から、カーン(かーん)、カーン(かーん)、と、鐘(かね)が鳴って(なって)来ました(きました)。葬式(そうしき)の出る(でる)合図(あいず)です。


过了十来天,阿权经过农民弥助家的屋后时,看见弥助的老婆,正在无花果树下染黑牙齿(平安时代流行的一种化妆方式)。他又经过铁匠新兵卫家的屋后时。发现新兵卫的老婆正在梳头。"咦,村子里发生什么事了吗?"阿权思索道"是什么呢?难道是秋季庙会吗?秋季庙会的话,那应该能听到太鼓和笛子的声音呀,更重要的是神社里应该挂旗子呀。"阿权想着走着,不知不觉间已经来到了一个门口有着红色井的门口,他来到了兵十的家门口。在那又小又破的屋子里,挤满了人。那些穿着正式的衣服,腰里别着手巾的妇女们在门口灶前烧火。大锅里咕噜咕噜的煮着什么。

"啊,是葬礼啊!"阿权想到。“兵十家死人了吗?”一个中午,阿权便跑到村里的墓地,躲在六地藏菩萨像的后面。由于天气很好,能看见远处城里的房子的屋顶瓦片在闪闪发光。墓地里的彼岸花竞相开放,像是给地上铺上了一层红毯。这时,从村子那边传来咚咚的钟声。这是出殡的信号。


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