吾輩は猫である71

吾輩は猫である71

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「とうとう飛び込んだのかい」と主人が眼をぱちつかせて問う。
“还是跳了呀。”主人眨着眼睛问道。


「そこまで行こうとは思わなかった」と迷亭が自分の鼻の頭をちょいとつまむ。
“真没想到你跳下去了。”迷亭摸了摸自己的鼻尖。


「飛び込んだ後は気が遠くなって、しばらくは夢中でした。やがて眼がさめて見ると寒くはあるが、どこも濡れた所も何もない、水を飲んだような感じもしない。たしかに飛び込んだはずだが実に不思議だ。こりゃ変だと気が付いてそこいらを見渡すと驚きましたね。水の中へ飛び込んだつもりでいたところが、つい間違って橋の真中へ飛び下りたので、その時は実に残念でした。前と後ろの間違だけであの声の出る所へ行く事が出来なかったのです」寒月はにやにや笑いながら例のごとく羽織の紐を荷厄介にしている。
“落水之后渐渐就失去了意识,昏迷了一阵。后来睁开眼睛的时候,发现虽然冷,但是身上一点都没有湿,也完全没有呛了水的感觉。可是我明明记得自己跳进水里了,真是不可思议。后来四周望了望,吃惊地发现骑在栏杆上的我居然搞错方向,本来想冲着水里跳,结果冲着桥面跳了下去。真是遗憾。就是因为搞错了方向,没能去成声音传来的地方。”寒月讪笑着,又开始摆弄和服的带子。


「ハハハハこれは面白い。僕の経験と善く似ているところが奇だ。やはりゼームス教授の材料になるね。人間の感応と云う題で写生文にしたらきっと文壇を驚かすよ。……そしてその○○子さんの病気はどうなったかね」と迷亭先生が追窮する。
“哈哈哈哈,这个太好玩了。跟我有着相似经历,太奇妙了。又可以当成詹姆斯教授的课堂案例了。如果用人类的感应为题写一篇纪实文,一定会轰动文坛吧……不过,○○子小姐的病怎么样啦?”迷亭穷追不舍。


「二三日前年始に行きましたら、門の内で下女と羽根を突いていましたから病気は全快したものと見えます」
“两三天前我去了一趟,她正跟女仆踢毽子。看起来病已经好了。”


主人は最前から沈思の体であったが、この時ようやく口を開いて、「僕にもある」と負けぬ気を出す。
主人刚才一直做沉思状,听到这里终于忍不住开口,像是不服气似的说:“我也有。”


「あるって、何があるんだい」迷亭の眼中に主人などは無論ない。
“有,有什么?”在迷亭眼里,主人是不可能经历过离奇事的。


「僕のも去年の暮の事だ」
“我也是去年年底经历了一件事情。”


「みんな去年の暮は暗合で妙ですな」と寒月が笑う。欠けた前歯のうちに空也餅が着いている。
“大家都是去年年底,真是奇妙呀。”寒月笑起来,露出被空也饼填满的门牙洞。

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