夜鹰之星 (4)

夜鹰之星 (4)

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よだかの星4)

夜(よ)だかが思(おも)い切(き)って飛(と)ぶときは、そらがまるで二つに切(き)れたように思(おも)われます。一疋(ぴき)の甲虫(かぶとむし)が、夜(よ)だかの咽喉(のど)にはいって、ひどくもがきました。よだかはすぐそれを呑(の)みこみましたが、その時何だかせなかがぞっとしたように思いました。
 雲(くも)はもうまっくろく、東(ひがし)の方(ほう)だけ山(やま)やけの火(ひ)が赤(あか)くうつって、恐(おそ)ろしいようです。よだかはむねがつかえたように思(おも)いながら、又(また)そらへのぼりました。
 また一疋の甲虫(かぶと)が、夜(よ)だかののどに、はいりました。そしてまるでよだかの咽喉(のど)をひっかいてばたばたしました。よだかはそれを無理(むり)にのみこんでしまいましたが、その時(とき)、急(きゅう)に胸(むね)がどきっとして、夜だかは大声をあげて泣き出しました。泣きながらぐるぐるぐるぐる空をめぐったのです。
(ああ、かぶとむしや、たくさんの羽虫(はむし)が、毎晩(まいばん)僕(ぼく)に殺(ころ)される。そしてそのただ一つの僕がこんどは鷹(たか)に殺(ころ)される。それがこんなにつらいのだ。ああ、つらい、つらい。僕(ぼく)はもう虫(むし)をたべないで餓(う)えて死のう。いやその前(まえ)にもう鷹(たか)が僕(ぼく)を殺(ころ)すだろう。いや、その前(まえ)に、僕(ぼく)は遠(とお)くの遠(とお)くの空(そら)の向うに行(い)ってしまおう。)

夜鹰之星(4)

夜鹰心如死灰,在天空飞着时候,他觉得天空被切成两块。有一只甲虫进入了夜鹰的喉咙,拼命地挣扎。夜鹰想都没想就把它咽了下去,突然他觉得背后一阵发凉。云已经彻底变成了黑色,只有东方的山火还在燃烧着,看着让人心慌。夜鹰觉得自己心口堵得慌,继续往天上飞去。

又有一只甲虫进入了夜鹰的喉咙。在夜鹰的喉咙里又挠又抓地扑腾。夜鹰艰难的把它咽了下去,这时突然胸口突然一紧,他大声的哭了起来,边哭边在空中旋转着落下。

他想:啊!甲虫,还有许许多多的飞虫,每天晚上都被我杀死。然后世界上唯一的我也要被鹰给杀死。我真的好难受啊!啊,好难受啊!我再也不吃虫子饿死算了。不,在那之前一定会被鹰杀死吧。不,在那之前我要飞到很远很远的天空那儿去。


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