北守将军和医生三兄弟(6)

北守将軍と三人兄弟の医者（6）

その先生(せんせい)の右手(みぎて)から、黄(き)の綾(あや)を着(き)た娘(むすめ)が立(た)って、花瓶(くわびん)にさした何(なに)かの花(はな)を、一枝(ひとえだ)とって水につけ、やさしく馬(うま)につきつけた。馬(うま)はぱくっとそれを噛(か)み、大(おお)きな息(いき)を一つして、ぺたんと四(よつ)つ脚(あし)を折(お)り、今度(こんど)はごうごういびきをかいて、首(くび)を落(おと)してねむってしまう。ソン将軍(しょうぐん)はまごついた。

「おい、起きんかい。あんまり情(なさ)けないやつだ。あんなにひどく難儀(なんぎ)して、やっと都(みやこ)に帰(かえ)って来(く)ると、すぐ気(き)がゆるんで死(し)ぬなんて、ぜんたいどういう考(かんが)えなのか。こら、起きんかい。起(お)きんかい。」それでも馬(うま)は、やっぱりぐうぐうねむっている。ソン将軍はとうとう泣いた。
「おい、きみ、わしはとにかくに、馬(うま)だけどうかみてくれたまえ。こいつは北の国境で、三十年(さんじゅうねん)もはたらいたのだ。」
　むすめはだまって笑(わら)っているが、このときリンパー先生(せんせい)が、いきなりこっちを振(ふ)り向(む)いて、まるで将軍(しょうぐん)の胸底(きょうてい)から、馬(うま)の頭(あたま)も見徹(みとほ)すような、するどい眼(め)をしてしずかに言(い)った。
「馬(うま)はまもなく治(なお)ります。あなたの病気(びょうき)をしらべるために、馬(うま)を座(すわ)らせただけです。あなたはそれで向(む)こうの方(ほう)で、何(なに)か病気(びょうき)をしましたか。」

北守将军和医生三兄弟（6）

在医生的右手边站着一个穿着黄色斜纹衣服的少女。她把插在花瓶里的不知道是什么花，取下一枝放在水里，然后轻轻地递道马的嘴前。马突然咬住花枝，然后长鸣一声，嗵地一声卧倒在地。然后垂下头呼呼的睡着了。将军看到后张皇失措。拍着马背叫到:“喂！你给我起来呀，你这个不知廉耻的家伙，我们历经磨难，好不容易回到城里。你却精神懈怠，像要死掉了。你到底怎么想的？喂，快起来啊，给我起来啊！”然而马儿还是呼呼的睡着，孙将军老泪纵横，求林波医生说。“喂，医生，我怎么样都无所谓，但是你一定要把我的马给救活呀！这家伙在北边的国境勤勤恳恳地工作了30年。”少女在旁边笑着不说话，这个时候林波医生突然转向这边。那锐利的眼神，仿佛越过马头，看穿了将军的心思似的，说道:“马没事的，只是为了检查你的病，才让马坐下的。你在那儿得过什么病吗？”