女生徒(二十八)

女生徒(二十八)

00:00
01:07

 お部屋へはいると、ぼっと電燈が、ともっている。しんとしている。お父さんいない。やっぱり、お父さんがいないと、家の中に、どこか大きい空席が、ポカンと残って在るような気がして、身悶えしたくなる。和服に着換え、脱ぎ捨てた下着の薔薇にきれいなキスして、それから鏡台のまえに坐ったら、客間のほうからお母さんたちの笑い声が、どっと起って、私は、なんだか、むかっとなった。お母さんは、私と二人きりのときはいいけれど、お客が来たときには、へんに私から遠くなって、冷くよそよそしく、私はそんな時に、一ばんお父さんが懐かしく悲しくなる。


      走进房间里,电灯灯光朦胧。静悄悄的。爸爸没有在。果然,只要爸爸不在,就会觉得家中某个地方留出了一大片空席位似的,身上难受得想要抽搐。换上和服,内衣脱下来丢开,轻吻了一下上面的玫瑰,然后刚在梳妆台前坐下,就听到客厅那边传来妈妈他们的哄笑声,我不由得生气起来。妈妈这人,在和我单独相处的时候还好,但有客人来的时候就会很奇怪地远离我,冷漠疏远。在那时候,我就会最想念爸爸,内心悲痛。

以上内容来自专辑
用户评论

    还没有评论,快来发表第一个评论!