(天声人語)絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)
19世紀の終わりごろ、米国の町々を回っていたサーカスの話である。「最後のキリン」を呼び物にし、こう宣伝(せんでん)した。かつてはたくさんいたキリンも、今ではこの1頭だけになってしまいました。非常に高価な動物です。この機会を逃したら、もう二度と見られないかもしれません▼
シファキス著(ちょ)『詐欺とペテンの大百科』に出てくる大ウソだ。それでも最後の機会だと信じた人はたくさんいたというから、盛況(せいきょう)だったのだろう▼
さて、こちらは詐欺でもペテンでもない正真正銘(しょうじんしょうめい)の絶滅危惧種、ニホンウナギである。今年も養殖(ようしょく)用の稚魚(ちぎょ)がとれず過去(かこ)2番目に少なかった。値段も上がるばかりだ。しかしというか、だからというか「絶滅するなら、今のうちに食べておこう」との消費行動もあるようだと、紙面で読んだ▼
国際自然保護連合のレッドリストに載ってから4(よ)年。稚魚がいない、天然ものも消えつつあると、ウナギ好(ず)きの身には暗いニュースが続く。完全養殖への望みはあるが、食卓に上るのはいつのことか▼
一昨年(いっさくねん)の小欄(こらむ)で、ウナギを味わうのは「大げさに言えば、パンダやトキを焼いて食べるようなもの」と書いた。表現がきつすぎると、お叱りの電話もいただいた。しかし今は大げさではないと感じる。好きだから控(ひか)える。そんな姿勢があっていい▼
暑さにまいる土用のこの時期、何を食すべきか。言い伝えは様々で、土用卵、土用蜆(しじみ)、土用餅などの言葉もある。「最後のウナギ」を心配せずにすむ味覚(みかく)はたくさんある。
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