2021/2/1(天声人語)天に花咲け
秋田市の戸嶋郁子さん(55)は結婚して初めて迎えた節分の日のことを忘れられない。「鬼は外 福は内 天に花咲け 地に実(み)なれ」。二十数年前、いつもの掛け声とともに豆をまくと、夫が言った。「後半は何かのおまじない?」▼
现居住于秋天市的户岛郁子女士难以忘记她婚后的第一个节分。那是20多年前,她一边撒豆子一边吆喝道:“鬼出去,福进来,天上开花,地上结果”。而他的丈夫却疑惑道:“后半段是什么咒语吗?”。
生まれ育った秋田県の旧東由利町の実家では、「天に花咲け」と唱和するのが当たり前だった。雪深い地で、冬は昼間でも家の中が暗くて寒い。奥の座敷に鬼がいるような気がして、豆まきの日だけは、ふすまを開けて声を張り上げた▼
在户岛女士的家乡——秋田县的旧东由利町,撒豆子的时候必然会伴随着“天上开花”的吆喝声。当地冬天积雪深厚,即便是白天家中也阴暗寒冷,仿佛屋里的坐垫上有鬼一样。只有撒豆子的这天,人们会把隔扇打开,大声驱鬼。
節分を過ぎたころから少しずつ日が長くなり、春めいてくるのが子ども心にうれしかった。「豆まきをしないと、待ち焦がれた春がやって来ない。体にそう染みついているんです」。いまでは夫が隣で同じ言葉を唱えてくれる▼
户岛还表示自己也会童心未泯地,欣喜于节分后白昼增长,春意渐浓。“不撒豆子,总觉得盼望已久的春天不会到来,这在我心中已然根深蒂固了”。如今,丈夫也会在一旁和我吆喝同样的语句。
節分の迎え方は人それぞれ、地域それぞれ。「鬼は外 福は内」に合わせて大豆をまくとは限らない。落花生をまいたり、イワシを玄関に飾ったり、恵方巻きをほおばったり。「鬼は内 福も内」と声を発して、鬼を迎え入れるところもある▼
迎接节分的方式因人而异,各地不同,不仅只有撒豆子喊:“鬼出去,福进来”一种。有的会撒花生,有的会在玄关挂上沙丁鱼,有的会大口吃惠方卷。甚至有的地方还会迎接鬼,大声喊:“鬼进来,福也进来”。
今年の節分はおなじみの3日でなく、あす2日。1年が365日ぴったりではなく6時間ほど長いため、立春の前日である節分もずれる年がある。前回、2日になったのは明治30年。実に124年ぶりのことだ▼
今年的节分不是大家所熟知的3号,而是明天2号。由于1年比365天还要长6小时右,所以立春前一天的节分也有所差异。上一次2号节分是在明治30年,距今已124年。
この冬は、例年とは異なる窮屈な日々が続いている。だから私も戸嶋さんにならって豆をまこう。「天に花咲け 地に実なれ そしてコロナも退散を」。春を呼ぶおまじないに願いを込めて。
与往年冬天不同,今年每天都过得十分拘束。所以我也打算和戸岛女士一样撒豆子,并把自己的期冀寄托于呼唤春天的咒语之中。“天上开花,地上结果,新冠退散”。
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