月の珊瑚(月之珊瑚)第三章-5 朗读:坂本真绫
「無駄な消費はよくないよ。このタンク一杯分だけでいいんだ。無制限に使っているけど、底をつく可能性だってある。星が枯渇したら、君だって共倒れになるんじゃないか?」百八十回目の補充。
ここのところ元素の生成量が増しているので、少女にそれとなく注意した。
驚いたのは、そのおり、少女が残念そうに目を伏せた事だ。
こちらの言葉が伝わっている。
なにより、意思を伝える術を学習している。
彼女は私の話からは何も学ばなかったが、独自に、私を観察する事で、彼女なりの成長を遂げているらしい。その時は驚きばかりで、なぜ、という疑問は浮かばなかった。
「手の次は足ときた。自立してもいいことはないと思うけど」
二百四十回目の補充の頃、少女は立ち上がれるようになった。
地表と一体化していた手足は、これで本当に人間と同じものになった。
まだ立ち上がる事しかできないが、あの様子では歩きだす日も近いだろう。
私にとっては小さなニュースだ。それより、来る時に見かけた樹木の破損の方が気にかかる。この森はお気に入りなのだ。ところどころ虫食いでは精神衛生上よろしくない。
樹木の補修に没頭する。振り返ると少女は満足げに笑っていた。我が事のように喜んでいるようだった。森の手入れが、スケジュールに組みこまれた。
「不用意に近寄らないように。代えの宇宙服はないんだ、壊されたら死ぬしかない。ああ、また転んだ。ヒトのように歩きたいのなら、膝関節を作りなさい」
彼女は人間と違い、内部に骨格というものがない。骨で器官を覆っている。我々とは内と外が逆なのだ。そう言う私も、今では体の外側を宇宙服で覆っているので、彼女と同じような在り方だ。
助言をしながら、私は彼女に接触を禁じた。安全性の問題だが、あの指に触れられたくはなかったのだ。
歩行するようになって、ドレスは本来の役割を果たすようになった。
石灰の樹木の合間をすり抜ける姿は、まるで、“これで、ヒトのように見えるでしょうか?”無音の筈の森に、雑音が響いた。なんだろう。まさか地上からの通信でもあるまい。
宇宙服の故障だ。都市に戻ったらチェックしなければ。
少女はまだ、しつこく木々と戯れている。
うまく歩けた感想を求められているのだな、と私は読み取った。
「そうだな。どちらかというと、君の体は珊瑚のようだ」
どうでもいい独り言に、少女は跳ねるようにドレスを翻した。
地球時間にしておよそ六ヵ月、私は彼女と過ごした。
ここのところ元素の生成率が低下している。私ひとりが生きていくには十分だが、少女の負担になると思い、末端の都市から電源を落とす事にした。ネットワークはとっくに断っている。都市の効率化ができたら再開すればいい。食料も熱量も、余分な機能をカットしていけばタンク一 杯分は必要ない。コップ一杯分で十二時間活動できる。
有原文吗?
Seki菇菇 回复 @永爱丹宝: 每期里都有