トラック 10 恋に酔う

トラック 10 恋に酔う

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の章 >  朗读:游佐浩二


トラック 10 恋に酔う


彼女を家まで送るために、二人で夜道を歩く。空には満天の星と美しい三日月が出ている。何気なく横を見ると、公園に大きな藤の木がある。枝を横に伸ばし、まるで空を見上げているような大木。その枝には美しい紫の藤の花が夜風に吹かれ揺れている。

「せっかくだし、少し見ていかない?藤の花って、あんまり長い期間花を咲かせないから。あは、風強いなぁ~また真剣に見てる。君は何でもじっと見る癖があるの?」

「ねぇ、藤の花の花言葉って知ってる?そっかぁ~しらないか。それなら、教えてあげるよ。「恋に酔う」。酔うってすごいよね~僕はいまお酒を飲みすぎて酔ってるけど。ああ、笑った?笑った奴にはこうしてやる!抵抗しても無駄だよ~ 」

<キス>

突然の行動に彼女は驚いたかもしれない。でも…僕の心はひどく落ち着いていた。嵐がようやく通り過ぎた後のように。彼女の顔を見た瞬間、自分のしたことの重さを知った…とっさに出た言葉は…

「あっ、ごめんごめん~僕、いま結構酔ってるし。」

ひどいことを言ってしまった。彼女だけにはこんなことを言うつもりなかったのに…

「君の髪についた花びらを取ってあげようとしたら、顔を近づきすぎたんだ。僕よくやっちゃうんだよね~それでなぜか好きでもないのに付き合うことになっちゃったり。このことは忘れて。君の好きな人にも悪いし。…帰ろう。」

『紫草のにほへる妹をにくくあらば人妻ゆゑにわれ恋ひめやも』

美しい君を憎かったら、ほかに思い人がいる君を愛したりはしない。


僕は…君の好きな人が羨ましくてたまらない。


Track 10 醉人的恋情

为了送她回家,两个人在夜路上行走。满天的繁星,簇拥着美丽的新月。无意中向旁边望去,公园里有棵很大的紫藤树,树枝向外伸展、就像是在仰望天空的大树。在这枝头盛开的美丽的紫藤花,在晚风的吹拂下轻轻摇曳。

“机会难得,我们赏赏花吧,因为听说紫藤花的花期很短。啊,风好大啊,你还是看得这么认真,你不管对什么都有目不转晴看的习惯么?对了,你知道紫藤花的花语么?是么,不知道啊。这样的话,我来告诉你吧——醉人的恋情。“醉人的”这个词很厉害呢,我现在就因为酒喝太多了所以有点醉了。啊,你笑我?对于笑的人就要这么做……反抗也是没用的哦。”

(kiss)

对于我这突然间的举动,她或许感到吃惊。但是,我的心里却非常平静,就像暴风雨前的平静。

在看到她的脸的瞬间,我知道自己刚才做的事情有些过分,最先说出的话是:

“啊,对不起对不起,我现在已经喝得很醉了。”

我说了很过分的话。明明只有对她,我从来都没有想过会说这样的话……

“我本来想把你头发上的花瓣拿掉,不小心脸凑得太近了。我经常会这样子呢,然后,也没有什么喜欢不喜欢的,就交往了起来。忘了这件事吧。对你喜欢的人也不好……回家吧。”

『妹妍如紫茜,焉能憎厌;况知已是人妻,尤使我生恋。』

如果我会讨厌如此美丽的你,那是因为我不能去爱已经心有所属的你。

我……对你喜欢的人,真是羡慕的不得了。


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