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それらの夏の日々、一面に薄の生い茂った草原の中で、お前が立ったまま熱心に絵を描いていると、私は何時もその傍らの一本の白樺の木陰に身を横たえていたものだった。そうして夕方になって、お前が仕事をすませて私のそばに来ると、それからしばらく私たちは肩に手をかけあったまま、遥か彼方の、縁だけ茜色を帯びた入道雲のむくむくした塊に覆われている地平線の方を長めやっていたものだった。ようやく暮れようとしかかけているその地平線から、反対に何物かが生まれて来つつあるかのように・・・
そんな日の或る午後、(それはもう秋近い日だった)私たちはお前の描きかけの絵を画架に立てかけたまま、その白樺の木陰に寝そべって果物を齧っていた。砂のような雲が空をさらさらと流れていた。その時不意に、何処からともなく風が立った。私たちの頭の上では、木の葉の間からちらっと覗いている藍色が伸びたり縮んだりした。それと殆んど同時に、草むらの中にかがばったりと倒れる物音を私たちは耳にした。それは私たちがそこに置きっぱなしにしてあった絵が、画架と共に、倒れた音らしかった。すぐ立ち上がって行こうとするお前を、私は、今の一瞬の何物をも失うまいとするかのように無理に引き留めて、私のそばから離さないでいた。お前は私のするがままにさせていた。
風たちぬ・いざ生きめやも。
ふと口を衝いて出て来たそんな詩句を、私は私に靠れているお前の肩に手をかけながら、口の裡で繰り返していた。それからやっとお前は私を振り解いて立ち上がって行った。まだよく乾いてはいなかったカンヴァスは、その間に、一面に草の葉をこびつかせてしまっていた。それを再び画架に立て直し、パレット・ナイフでそんな草の葉を取りにくそうにしながら、「まあ!こんなところを、もしお父さんにでも見つかったら・・・」
お前は私の方を振り向いて、何だか曖昧な微笑をした。
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