第299话
片段1:11:25——14:20
たま:すみません、少しの間隣で雨宿りさせてもらえますか?お互い大変ですね。カラクリにとって湿気は大敵ですもの。いっそ、オイルの雨でも降ってくれれば、わたしたちも自由になれるのに…あっ、止んできたみたい!それでは、わたしはこれで。お互い、お勤め頑張りましょう。
たま:すみません、「晴天」ワンカートンください。
おばあさん:たまちゃん!うちへのお使いもこれで最後かね。これをきっかけに登勢(とせ)のばあばあにも禁煙しろって言っときな。
たま:やっぱり閉めてしまうのですね、お店。
おばあさん:まさか毒煙吹かすばあばあより先に寿命が尽きるとはね。
たま:病気が治るまでいつまでも待っているとお登勢(とせ)さまが。「晴天」が手に入る店になくなられては困る。自販機に改造されても戻ってこいと。
おばあさん:フン、こんな汚い店、また開いたところで、来るのは物好きのばあばあぐらいなもんさ。あたしも相棒も年を取りすぎた。ここらが潮時さ。
たま:相棒?
おばあさん:ああ、長年ここであたしと一緒に働いてきた、あたし以上のポンコツ。いまじゃ雨宿りするだけの鉄屑だよ。
土方十四郎:おい、ばあさん!札入れたのに、タバコも金も出てこねえぞ!どうなってんだ!?
おばあさん:何遍同(おんな)じこと言わせんだい?うちのポンコツは計算苦手だから、釣り銭なしでぴったし払えって言ったろ?
土方十四郎:自販機が計算苦手ってどういうことだよ!
おばあさん:そこじゃない!ここ!
土方十四郎:あ、出た。これ俺のじゃ…ちょっと待って!なんで人のタバコ吸ってんだこの自販機!
おばあさん:あんたが変な所叩くから機嫌悪くなっちゃったじゃないか!
土方十四郎:何自販機が不機嫌だ!俺のタバコと金返せ!
おばあさん:釣りだけは絶対出すなよ!ポンコツ!
土方十四郎:さてはてめえらグルだな!
たま:暴力は止めてください。
土方十四郎&おばあさん:え?
たま:ポンコツのカラクリなどいません。体が心についていけなくなってしまっているだけです。大丈夫ですよ。今日は何もかも吐き出して。わたしが全部聞いてあげますから。
おばあさん:別のもんがはいた!!!
たま:どうやら二日酔いだったみたいです。
おばあさん:自販機がどこの自販機でワンカップ買ってきた!
土方十四郎:やればできんじゃねえか。これでしばらくはタバコを買わないで済むぜ。
泥おばあさん:泥棒!!警察!警察を呼んどくれ!
土方十四郎:警察ですが、何か?
太棒了,希望多些更新