第23課ー日本食が恋しくてならなかった
長く住んでいた場所をから、新しい場所へ移ったとき、最初のうちは誰でも、初めて見るその場所の美しさに感動したり、そこにいなければ決してできなかったようなことを体験したりして、とても楽しく時間を過ごすことができます。ところが、だんだんその新鮮な気持ちが無くなってくると、人は少しずつストレスを感じるようになります。特に、長期の仕事や留学、旅行などで、言葉や文化の違う外国へ行った人は、国内で移動した人達よりもかなり強く感じるようになります。日本人の場合、わずか数時間の旅行から帰ってきただけで「日本食が恋しくてならなかった」と言う人がいますが、これもストレスの一つです。また、そうならないように、「海外には梅干を持って行かずにはいられない」と言う人の話もよく聞きます。留学生の場合、最初は、外国での新鮮な生活をとても楽しみます。しかし1、2週間経つと、だんだん強いストレスを感じ始めて、1か月後くらいには、多くの学生が、もう帰りたくてしょうがないと思うようになります。これまでの不自由のない生活と、今の不自由な生活を分けて考えられないのです。言葉が通じなくて、本当に欲しかったものが買えなかったり、銀行や郵便局で手続きがうまく行えなかったり、行き方が分からず、行くのを諦めなければならなくなったりすることに、どんどん不満を感じていけます。こうした日常生活の中での小さな不満が溜まっていて、やがて、気付かない間に、大きなストレスになってしまうのです。 人によっては、肉体的な病気になる場合もあると言います。しかし、2、3か月後くらいには、言葉や文化にもだいぶ慣れてきて、自分で、今の生活と今までの生活をきちんと分けて考えることができるようになってきます。そうすると、ストレスはだんだん弱くなっていきます。行動力のある学生なら、自分でストレスをためない方法を考えて実行するようになります。そうして、ほとんどの学生達がまた、海外での生活を楽しみながら送れるようになるのです。
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