トラック 08 最初から
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トラック 08 最初から

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の章 >  朗读:游佐浩二


トラック 08 最初から


「もしもし?僕。いま大丈夫?久しぶり。もう一ヶ月ぐらい経つかなぁ~全然連絡なかったから、思い切って連絡して見た。僕?すこし疲れてたけど。君の声聞いたら元気が出たよ。ずっと待ってたんだよ、君からの連絡。仕事が忙しくてかける暇がなかった?へぇ~僕は君にとってそんな存在なんだ?せっかく携帯の番号を教えてあげたのに、悪い子だね。じゃあ、罰として、今週末二人っきりでご飯食べに行かない?いいところ知ってるんだ。断ったりなんてしないよね。断ったら、お仕置きだよ~詳しい待ち合わせ場所と時間は後でメールするよ。あっ、まだ切らないで!一つ聞いてもいいかなぁ?いま、好きな人とか、付き合ってる人…いる?…好きな人が、いる…へぇ~どんな人?え?言い辛いって?フン~そっかぁ。次に会ったときに教えてね。うん。じゃあ、また。」

「はぁ…」

電話が切れると同時に僕は深いため息をついた。彼女に好きな人がいる。でも…それは彼女を責められることではない。いつか彼女も誰かと付き合い、結婚をして、暖かい家庭を築いていく。でも…僕は、友達だ。恋愛に対して本気になれない。いまの僕では彼女と付

き合う資格すらもない。僕は…彼女を自分だけの物にしたい。大切にしたい。世界で一番誰よりも…彼女が好きだ!でも…この気持ちに気づいたと同時に…僕は、失恋をした。

『今更に何をか思はむうちなびきこころは君に寄りにしものを』

この胸の奥底にあった気持ち、もう見てみぬフリはやめよう。この心は…最初から君だけのもの。

初恋は叶わない。誰かが言ったその言葉を、僕は頭の中で何度も思い出していた。



Track 08 从最初开始

“喂,是我,现在说话方便吧?好久不见,已经有一个月了吧。因为你完全没有联系我,所以我就决定试着联系你。我么?稍微有点累,不过听到你的声音后就又有精神了。我一直在等你,等你联系我。工作太忙所以没时间打电话给我?嘿?我对你来说就是这样的存在啊,亏我还特意把手机号码告诉你了,真不乖。那么,作为惩罚,这个周末我们两个去吃个饭吧,我知道一个好地方。

不可以拒绝啊,拒绝的话,也要押着你过去。详细的见面地点和时间等一会儿发信息给你哦。啊,先不要挂,我还有个问题想问:现在你有喜欢或者正在交往的人么?有喜欢的人……嘿?是什么样的人?诶?这很难说?嗯,这样啊,那下次见面的时候告诉我吧。嗯,那么回头见。”

唉……挂断电话的同时,我深深的叹了口气。她有喜欢的人了,但这并不能怪她什么。总有一天,她会和什么人交往、结婚、建立起一个温暖的家庭,而我……只是朋友。对于恋爱,我无法认真起来,像现在这样的我,连和她交往的资格都没有。

我希望她变成只属于我的,希望能珍惜她。我要成为在这世界上最喜欢她的人,比任何人都喜欢。但是,在认识到这份感情的同时,我就失恋了。

『如今,尚有何心事;一颗柔心,满腔温存,已尽许君。』

这份埋藏在心底的感情,已经不能假装视而不见了。这颗心,从最初的开始,就是只属于你的。

初恋总是无法成功的,不知道谁说的这句话,在我的脑海中不断的浮现出来。



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