魂を刳る美

魂を刳る美

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  • Reina4649

    著者:北大路 魯山人 読み手:會田 典子 陶器だけで美はわからぬ。あらゆるものの美を知って、それを通して陶器の美もわかる。そして本当にわかるということは、本当にそのものに惚れることである。  本当に惚れることが出来るか、これが問題である。下手ものにでも自分が真剣に惚れるなら、そのものの持ち味だけはわかるだろう。多くは他動的である。他人の言葉に引きずりこまれることが多い。甚だしいのは美に見えなくて金に見える。また、半分美に見えて、半分金に見えるというのもある。

    Reina4649 回复 @Reina4649: また、いいものばかりある店で、その中からいいものを求めることは容易である。安物の中から更に値切って求めるような行き方をする人の根性は、汚なくて、いいものは集まらない。  鍋島、柿右衛門には工芸美術的なよさはあるが、精神力には欠けている。そこへ行くと古九谷には道楽気があって、芸術味が含まれている。無我夢中になってやった仕事には魂が入っている。古九谷と鍋島には町人と武士の違いがある。町人の道楽には案外面白いところがある。  要するに魂を刳る美が欲しい、ということである。