【日本の怪談話集】01 百物語の幽霊

【日本の怪談話集】01 百物語の幽霊

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朗読 Web団 零点    
内容 : 百物語をすると、本当に幽霊が現れました。
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 むかしむかし、ある村で、お葬式がありました。
 昼間に大勢集まった、おとむらいの人たちも夕方には少なくなって、七、八人の若者が残っただけになりました。
「せっかく集まったんだ。寺のお堂を借りて、『百物語(ひゃくものがたり)』をやってみねえか?」
 一人が言い出すと、
「いや、おとむらいの後で『百物語』をすると、本当のお化けが出るって言うぞ。やめておこう」
と、一人が尻込みしました。
 この『百物語』と言うのは、夜遅くにみんなで集まって百本のローソクに火をつけ、お化けの話しをする事です。
 話しが終わるたびに、ひとつ、またひとつと、ローソクの火を消していき、最後のローソクが消えると本当のお化けが出るという事ですが、若者たちは、まだ試した事がありません。
「ははーん、意気地無しめ。本当にお化けが出るかどうか、やってみなくちゃわかるまい」
「そうだ、そうだ」
「???そうだな。よし、やってみるか」
と、いう事になり、若者たちは寺のお堂で『百物語』を始めました。
「これは、じいさんから聞いた話だが???」
「隣村の、おかよが死んだ日にな???」
と、みんなで代わる代わる、お化けの話しをしていって、ローソクの火をひとつひとつ消していきます。
 夜もしだいにふけて、ローソクの火も、とうとうあとひとつになりました。
 始めのうちこそ面白半分でいた若者たちも、しだいに怖くなってきました。
「いいか、この最後のローソクが消えたら、本当のお化けが出るかもしれん。だが、どんなお化けが出ようと、お互いに逃げっこなしにしよう」
「いいとも。どんなお化けが出るか、この目で、しっかり見てやろう」
 若者たちは口々に言いましたが、『百物語』の百番目の話しが終わって最後のローソクの火が消されると、まっ暗なお堂から、ひとり逃げ、ふたり逃げして、残ったのは、たったひとりでした。
「ふん。だらしねえ奴らだ。???それにしても、はやく出ねえのか、お化けの奴は」
 残った若者が度胸をすえて、暗闇のお堂に座っていると、
?ヒュー、ドロドロドロドロー。
 目の前に、白い着物の幽霊が現れたのです。
「う、???うらめしやー」
「ひぇーーっ!!」
 若者は思わず逃げ出しそうになりましたが、よく見るとほれぼれするような美人の幽霊です。
「ほう。これは、かなりのべっぴんさんだ」
 相手が幽霊でも、若くてきれいな美人幽霊だと少しも怖くありません。
 若者は座り直すと、幽霊に尋ねました。
「なあ。さっき、うらめしいと言ったが、一体、何がうらめしいのだ? 『うらめしやー』と言われただけでは、何の事かわからん。これも、何かの縁だ。わけを、聞かせてくれないか?」
 すると幽霊が、しおらしく答えました。
「はい、よくぞ尋ねて下さいました。
 わたくしは、山向こうの村からこちらの村の庄屋(しょうや)さまのところにやとわれた者ですが、ふとした病で命を落としました。
 けれど庄屋さまはお金をおしんで、おとむらいを出してくれないのです。
 それで今だに、あの世へ行けないでいるのです」
「なるほど、そいつは気の毒だ」
「今夜、皆さま方が『百物語』をしてくださったおかげで、ようやくお堂に出る事が出来ました。
 どうか、お寺の和尚(おしょう)さんにお願いして、お経をあげてください。
 そうすれば、あの世へ行く事が出来るのです」
 女の幽霊は、若者に手を合わせました。
「わかった。確かに、引き受けた」
 若者が答えると、女の幽霊は、スーッと消えていきました。
 次の朝、若者は和尚さんにわけを話して、昨日の幽霊の為にお経をあげてもらいました。
 さて、それからというもの若者は幸運続きで、やがて長者(ちょうじゃ)になったという事です。


                                                    おしまい

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用户评论
  • 1360370klux

    突如其来的bgm吓得我猛躯一震

  • 云胡不疑

    “那么,如果最后那支蜡烛熄灭,说不定会出现真正的妖怪。但是,不管出来什么样的鬼怪,都要赶紧跑啊。” “我就算了,我要亲眼看看会出现什么样的妖怪。” 年轻人们异口同声地说。“百物语”的第一百个故事结束后,最后那支蜡烛熄灭了,人们纷纷从漆黑的佛堂里逃出来,只剩下一个人。“哼,那些家伙真会虚张声势。” 剩的下那个年轻人壮着胆子坐在黑暗的佛堂里。 咻~多洛~多洛~的声响 穿一身白色和服的幽灵出现在眼前。 “唉……这可怎么是好。” “啊! !” 年轻人想都没想就要逃走,可是仔细一看,这是个漂亮的美女幽灵。 “哦,真是个美人。”即使对方是幽灵,只要年轻漂亮就一点都不可怕。

  • 云胡不疑

    内容:讲完百物语,幽灵真的出现了。 很久很久以前,有个村子里举行葬礼。到傍晚白天聚集起来的人也少了,只剩下七八个年轻人。 “好不容易才聚在一起,借个寺庙佛堂,来玩‘百物语’怎么样?”一个人说,

  • 云胡不疑

    年轻人重新坐下,问幽灵。 “刚才你说如何是好,你到底发愁什么?我听到却不知道是什么事。这也是一种缘分。你能告诉我原因吗?” 幽灵郑重地回答道: “是的,请听我道来,我是从山对面到这边村长家的亲眷,因为急病丢了性命。可是村长大人不出钱超度我。所以我现在还不能往生极乐。”“原来如此,那太可怜了。” “今晚,多亏各位玩‘百物语’,我才得以现身佛堂。 能不能请寺庙的和尚念经。这样我就可以去另一个世界了。” 女幽灵向年轻人双手合十拜托。 “知道了,包在我身上。” 年轻人回答后,女幽灵咝~的一声,就消失了。 第二天早上,年轻人跟和尚说了缘由,为昨天的幽灵诵经。自那以后,年轻人就好运不断,不久就成了富人。

  • 只因潜在悖论

    朕的翻译大军呢?!

    阿阳err 回复 @只因潜在悖论: 不是有字幕吗

  • 云胡不疑

    “不,你说过,聚在一起再讲‘百物语’,就会出现真正的妖怪。算了吧。”一个人打了退堂鼓。所谓“百物语”,就是在深夜里大家聚在一处,点燃一百根蜡烛,讲鬼怪的故事。每次讲完,一个接一个地熄灭蜡烛,蜡烛全熄灭后,真正的妖怪就会出来,但是年轻人们还没有尝试过。 “哈哈哈,真是听风就是雨。是不是真的会出妖怪,一定要试试看才知道。” “就是,就是。” “那……好吧,试试看吧。” 于是,大家就在寺院的佛堂里开始玩“百物语”。 “这是我听爷爷说的……” “这是在邻村阿佳死的那天的事……” 大家轮流说着鬼话,把烛火一个个熄灭。夜深了,蜡烛的火,终于只剩一支。 刚开始觉得有趣的年轻人也渐渐感到害怕。

  • 咸鱼网友

    可以拿来练口语

  • 都说高华

    打卡。