「いびつなおにぎり(上)」
もう20年以上前のこと。オンボロアパートで一人暮らしをしていたときのことだった。安月給で金はなかったが、無いは無いなりになんとか食(く)ってはいけた。
隣の部屋には50代くらいのお父さんと小学生二年生の娘が暮らしていた。娘の陽子とは会うチャンスも多くよく話をした。
いつだったか、夕方「今日もお父さん遅いの?」「うん。」などと会話をしてたら私の腹が「グーー」となりやがった。
「あれ?お姉ちゃん、お腹空いてるの?」
「まあね。」
「ちょっと待ってて。」というと部屋に入り、間も無くして、形の「いびつ」なおにぎり持ってきてくれた。味も何もないおにぎりだったけど私は「ありがとう」と言って、平(たい)らげた。
それから彼女と会わない日が続いた。どうしたのかな、と思う程度で気にはしなかった。
已经是20多年前的事情了。那时我一个人住在破烂不堪的公寓,一贫如洗,勉强度日。隔壁住着父女两人,父亲看起来50多岁了,女儿才上2年级。
一个傍晚,我照例在洗衣房和小女孩聊着天,突然肚子“咕——”地叫了起来。
“诶,姐姐,你肚子饿了吗?”小女孩问到。
“嗯,有点。”
“你等我一下。”她说着,走进房间,出来的时候递给我一个刚刚捏好的歪歪扭扭的饭团。我向她道了谢,尽管没什么味道,还是吃完了。
那之后,很久没再见过她。
故事未完,下期待续。
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