15歳 忍び寄る病魔
兆し
このごろ何だか痩せてきた。
山ほどある宿題や自由研究で、食事を抜きにしたせいかな?
思っても実行できなくて悩む。自分を責めながらも捗らない。エネルギーが消耗するばかり。もう少し太りたいなあ。
明日からは、計画表をむだにしないように行動しよう。
雨がしとしと降っている重いカバンと手提げ、おまけに傘をさしての登校はきらい。やだなあ、と思った途端、家から100メートルくらい先の小石の敷いてある細い道で、突然膝がガクッとなってずっこけた。
あごをひどくぶった。そっとさわってみると、ベトっと血がついた。散らかったカバンや傘を拾って、まわれ右して家へ帰った。
奥の方から母が、
「忘れ物したの?早く行かんと遅刻するよ」
と言いながら、玄関まで出てきた。
「どうしたの?」
でも泣くだけで何も言えない。
母は血だらけの顔を手早くタオルで拭いてくれた。割れた傷口に砂がくいこんでいた。
「これは医者へいかにゃあいかんわ」
と言って急いで濡れた服を着替えさせてくれ、傷口にピタッと絆創膏をあて、車に飛び乗った。
麻酔もかけず、ニ針縫う。自分がドジだから、痛くても歯を食いしばって我慢した。それより、急に仕事を休ませてしまったお母さん、ごめんなさい。
運動神経が鈍いから手を前にでなかったのかと、痛むあごを鏡で見ながら思った。
でも、あごの裏でよかった。まだ嫁入り前の女の子だから、見えるところに傷が残ったらお先まっくら。
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