ずっと刻まれる母の愛

ずっと刻まれる母の愛

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ずっと刻まれる「母の愛」

 友人からの深夜の電話。彼女は息子の小1のときのクラスメートの母親で、いわゆるママ友である。お寿司屋さんの彼女とは家族ぐるみの付き合いで、もう20年以上が経つ。仕事を持つ私たちが自分の時間を持てるのは、決まって深夜、いつも真夜中にいろいろなことを話し、助け合いながら生きてきた。 

 そんな彼女の息子が一人暮らしを始めた。お祝いを兼ねてアパートを訪ね、夕食を作り、洗濯をし、汗だくになって真新しいカーテンを付け終えたという。そして帰る母親に彼は一言「じゃあね」。その「じゃあね」に頭にきたと。なぜ、「お母さんありがとう」と言えないのだ「じゃあね」はないだろうと、寂しくなったという。

 彼女自身は幼い頃に両親が離婚し、父親の元で育ち、中学から家事一切を任されていた。彼女の洗濯物のたたみ方は今でも見ていて美しく、気持ちがいい。子供たちにはできる限りのことをしてあげたいと、いつも一生懸命やってきたという。「それでいいんだよ」。そう答えながら、私には突然、自分が7歳のときの光景が蘇った。

 当時、私の母も働いていた。ある日、初めて友人が家に遊びに来ることになり、前の晩一緒にお風呂に入りながら、母にそのことを告げた。「明日ね、○○チャンと○○チャン……」。母は黙って聞くだけだった。翌日帰宅すると、テーブルの上の紙皿に、人数分の数種類のお菓子がきれいに並べられていた。手作りのケーキや高価なお菓子でもなんでもないけれど、私は自慢げにみなに言った。「さあ、おやつですよー」。

 そうなのだ。愛情は突然蘇り、胸いっぱいに広がり、生き続けるものなのだ。彼女の息子への愛も、これからずっと彼の心で育ち続けるに違いない。


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用户评论
  • 晴朗喜乐

    想知道谁读的 好好听

  • Agu_i1

    在听