ひっこし大作戦

ひっこし大作戦

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ある まちの、ふるいビルの ちかに
5ひきのちいさなねずみがすんでいました。
なまえをぐれ、くろ、しろこ、 ちゃたろう、 ちびすけ
といいます。
「ああ、こわかった!」しろこが いいました。
「おとなりさんがねこをかいはじめたんだ」ちゃたろうがいいました。
「すごく おおきいのが 2ひきも!」と ちびすけ。
くらいすあなのなかで、5ひきはからだを ふるわせました。
これでは おちついて くらせません。
「ぼくたち もう
ここには すめないよ」
5ひきはすみなれた すあなをでて、 あたらしい
すみかを さがすことにしました。

はじめに みつけたのは、おおどおりの すみっこ。
ところが、あめがふってくると5ひきは びしょびしょになりました。
それにここはひとのあしがいったりきたり、
ぜんぜん いごこちのいいぱしょでは ありません。

つぎに 5ひきはげすいどうのなかに
たくさんのすあなを
みつけました。
でもどのあなも ほかのねずみでいっぱいでした。

あちらこちらをさがすうち、とうとう5匹は大きな
やまのまえに やってきました。
そこは まちの ゴミおきば。いらなくなったものが うずたかくつんであるのです。
「こりゃあ すごいぜ」くろはめをぱちくりしました。
5ひきはまずみみをすまし、それから はなを
ひくひくさせて、
猫がいないかどうかしらべベました。
「よし、だいじょうぶ。それ!」
5ひきはゴミの やまに とびこみました。
「これ みて!」
「たからものの やまだ!」
きらきらかがやく ねじや、 くぎ。
パイプや あきかん、 ふるどけい…
ここには すてきなものが たくさん
ありました。
「ねえ、みんな、ぼくたち いえをつくろうよ」ぐれが
いいました。「ぼくたちのいえを、ここにさ!」
5ひきのいえづくりが はじまりました。
「ゆかを たかいところにつくって、 あめがふっても
ぬれないように しようぜ」
くろが いいました。

おもたいものはちからを
あわせて はこびます。
「さあ、おして。よいしょ、よいしょ。それ、もうちょっと!
しろこは いたをきっています。「これで、ゆかをつくりましょう」
5ひきは おおきな あかい いすを みつけました。
「ぼくらの やねに ちょうどいい」
みんな、いっしょうけんめい はたらきます。
あっちをきったり、 こっちをもちあげたり、
くぎを うって くっつけたり…
「オーライ、オーライ、 きをつけて」
「だいじょうぶだよ。よっこらしょ」
ちからもちのちゃたろうは いたを
なんまいもひっぱりあげました。

トントントン、だいくしごとの とくいな くろが、
いたで屋根をふさいでいきます。
「おや? しろこはなにをしているの?」
「いいことをおもいついたの!」
「このなかに
あまみずを ためるのよ」
うえきばちに パイプをつなげると、
いきおいよく みずが ながれだしました。
「ひゃっほー! おふろができた!」
「とっても いいきもちね!」
5ひきはうたいだしました。

すてきな いえを たてましょう
ねずみに ぴったり、しょくりょうたっぷり、
あんぜん あたたか あたらしい いえ…
ふるどけいはしょくひんちよぞうこによさそうだ」
くいしんぼうのぐれのおかげで、ちょぞうこは
おいしいものでいっぱいになりました。
「ねえ ちびすけ、ビーだまを
つかったらどうかな?」
「ありがとう。 きっと
うんと きれいなのが
できるよ!」
「ねえねえ、なにを
つくっているの?」
ぐれが おやつをもって
のぞきにきました。
「まだ ないしよ」
ちびすけがくすくすっと
わらいました。
すてきな
おひるねの ヘやができあがりました。
ビーだまの
まどから、おひさまの やわらかい ひかりが
きらきらと はいってきます。

「わぁ きれい」ちびすけは つぶやきました。
ちゃたろうは…もう
いびきをかいて ねていました。

じてんしゃのタイヤは、 かぜの ちからでまわる かんらんしゃになりました。
くろは こわれた きかんしゃをみつけ、 ぴかぴかに みがきました。
ちゃたろうはいっしんに じめんをほっています。

5ひきはうたいだしました。

すてきな いえをたてましょう
ねずみに ぴったり、しょくりょうたっぷり、
あんぜん あたたか あたらしい いえ··…
そうして とうとう
5ひきの いえが
かんせいしました。

くらくなると、5ひきは
みちたりた きもちで
ねどこにもぐりこみました。
そのときです。
とつぜん おおきな こえが あたりに
ひびきました。
ニャアオオオオオ!

いえの そとで おおきな ねこが、ものほしの
ひもに
からまって
うごけなくなっていました。
ニャアオ、ニャアオウ。ねこは
おおきなこえで ないています。
「おれたち ねこを つかまえちゃったぜ!」くろは こしを ぬかすほど おとどろきました。
「どうしよう」
しろこがいいました。「ちかづいたら ひとのみにされ
ちゃうわ」
「しっぽを ちょっと かじってみようか···」 と、ちゃたろう。
「だめだよう」 ちびすけがいいました。「からまっちゃって うごけないんだよ。
たすけて あげなくちゃ」
「そうだちびすけの いうとおり」ぐれがいいました。

5ひきは ちからを
あわせて せんたくひもを
かみきり、ねこをじゅうに してやりました。ところが、ねこは にげていきません。
おおきなめだまでじっと 5ひきを
みおろしているのです。
5ひきは
おそろしくて
おそろしくて
うごくことが できませんでした。
すると、ねこがくちをひらきました。
「ありがとう。 きみたちはぼくの おんじんだ。
おれいに なにか できることはないかな?」

こうして 5ひきは すばらしい いえを
てにいれました。なにもかもが 5ひきに
ぴったりの、 いごこちのいい いえです。
それに、こんなにあんぜんな
ねずみのいえはどこをさがしたってないでしょう。
なんといっても、ばんけんがいる
ねずみのいえなんですから。
おっと、しつれい、ばんねこでした!


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